Negla
椅子のこと
椅子

家具の中でも、とくに椅子は特別な地位を獲得している感がある。世界中の名だたるデザイナーや建築家がこぞってデザインしているしコレクターも多い。机展や本棚展って聞いたことないけど、椅子展はけっこう開催されている。それだけ探求しがいのある道具ということなんでしょうね。

実際、椅子は道具としての出来・不出来がはっきりしている気がする。不出来な椅子は座っていられなくなる。座っていられなくなる椅子は、本来の目的を満たせていないわけで、道具としての存在価値が問われても仕方がない。

Neglaで私が座っている椅子(折りたたみ)は、非常に出来がわるい。背もたれがまっすぐの棒状なうえに、その位置がちょうど腰椎のあたりにあるので、気軽に腰かけると腰椎に棒が直撃して激痛が走る。この話をすると、みな信じてくれない。「大げさな」とか言われる。「じゃあ座ってごらんよ」と座らせると、みな「イテッ!」と顔をしかめる。

これはもはや椅子ではなく、凶器ですらあるな……と思いながら、代わりがないこともあって開店以来ずっと使っている。背もたれに布を渡してクッション性を出し、座る際は静かにもたれる。皮肉にもお椅子さま扱い。ときどき心の中で、大事にしてるわけじゃないよ!と椅子に向かって釘をさしたりする。

写真の椅子は、ちょっと前に入荷した出来のいい椅子。スプリングの案配がちょうどいいし、スッとした佇まいもいい。二脚あります。